ある研究は、エストラジオール・バレレート(estradiol valerate)とシプロテロン・アセテート(cyproterone acetate)をトランスジェンダー女性の如く、成体雄ラットの雌化処置に用い、その結果、体積の減少や特異的代謝産物の上昇など、脳の構造が変化することを証明した。
2020年の研究[1]でGoémezらは、ラットモデルを用いて、トランスジェンダー女性に投与されるような女性化ホルモン処置、特にエストラジオール・バレレートと酢酸シプロテロンの影響を調査した。彼らは、構造MRIと拡散テンソル画像法(Diffusion Tensor Imaging)を用いて30日間の変化を観察した。研究者たちは、これらの治療によって皮質体積が両側で全般的に減少することを発見した。さらに、グルタミン酸やグルタミンを含む脳内代謝産物の相対濃度の上昇も認められた。この研究は、これらのホルモン療法が脳の構造と代謝産物濃度に有意な変化を引き起こすと、結論している。
REFERENCES
[1] Gómez, Á., Cerdán, S., Pérez-Laso, C., Ortega, E., Pásaro, E., Fernández, R., … & Guillamon, A. (2020). Effects of adult male rat feminization treatments on brain morphology and metabolomic profile. Hormones and behavior, 125, 104839. [Link]