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トランスジェンダーの若者の自殺未遂率全体が41%であることを示す質の高い証拠は無い。


トランスジェンダーの若者の自殺未遂率全体が41%であることを示す質の高い証拠は無い。

トランスジェンダーの回答者6,450人のうち41%が、人生のある時点で自殺を試みたことがあると答えた[1]というよく繰り返される主張は、全国トランスジェンダー差別調査[2]からの引用である。


しかし、2021年の論文[3]では、参加者はトランスジェンダーの擁護団体を通じて募集され、被験者は友人や家族の間で調査を宣伝することを「誓約」するよう求められたと指摘している。この募集方法によって、大規模だが非常に偏ったサンプルが得られた。トランスジェンダー擁護団体をターゲットにしたことで、政治的な活動をしていないトランスジェンダーの経験が、この調査では十分に反映されていない。また、調査参加者の40%近くが、調査時点では医学的にも社会的にもトランスジェンダーになっておらず、将来的にトランスジェンダーになるつもりはないと回答している。


2016年の論文[4]は、この41%という統計の指数を分析し、トランスジェンダーが直面する不公正や、家族や社会の受容の重要性に関する会話にどのような影響を与えたかを調査している。

statsforgender.org

REFERENCES

[1] Turban, J. L., Beckwith, N., Reisner, S. L., & Keuroghlian, A. S. (2020). Association between recalled exposure to gender identity conversion efforts and psychological distress and suicide attempts among transgender adults. JAMA Psychiatry 77 (1): 68-76. [Link]

[2] Grant, J. M., Mottet, L. A., Tanis, J., Harrison, J., Herman, J. L., & Keisling, M. (2011). Injustice at every turn: A report of the national transgender discrimination survey. National Gay and Lesbian Task Force; National Center for Transgender Equality. [Link]

[3] D’Angelo, R., Syrulnik, E., Ayad, S., Marchiano, L., Kenny, D.T. & Clarke, P. (2021). One Size Does Not Fit All: In Support of Psychotherapy for Gender Dysphoria. Arch Sex Behav 50: 7-16. [Link]

[4] Tanis, J. (2016). The power of 41%: A glimpse into the life of a statistic. Am J Orthopsychiatry, 86 (4): 373-7. [Link]